妊娠から復職まで:会社への手続きと法的権利を完全ガイド

妊娠が判明してから職場復帰するまでの間に、会社に対して行うべきことを時系列順に挙げています。

ここでは、日本の労働基準法に基づく法的な産前産後休暇の期間、育児休業法に基づく法的な育児休業(育休)期間とその延長条件に加え、復職後に法的に認められている権利も明示的に含めています。

会社の規定で異なる場合もあるので、適宜確認をお願いします。

  1. 妊娠の報告
    上司や人事部に妊娠を伝え、産休や業務調整の準備を始めます。安定期(妊娠5ヶ月頃)に報告する人が多いですが、体調や業務内容によっては早めに伝えるのも良いです。

  2. 母健連絡カードの提出(必要に応じて)
    医師から「勤務時間の短縮」や「軽い業務への変更」などの指導があった場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」を会社に提出し、配慮を求めます。

  3. 産休の申請
    労働基準法第65条に基づき、産前6週間(出産予定日の6週間前から、多胎妊娠の場合は14週間)からの休業を申請します。会社指定の書類に、出産予定日や休業期間を記載して提出します。

  4. 業務の引き継ぎ
    産休前に担当業務を後任者やチームに引き継ぎます。引き継ぎ資料を作成し、スムーズに業務が継続できるよう準備します。
  1. 産休開始の最終確認
    法的な産前休業期間(産前6週間、多胎妊娠の場合は14週間)が正しく適用されているか、休業開始日や期間を会社に再確認します。

  2. 育休の意向伝達
    産後に育児休業を取得する予定があれば、事前にその意向を伝えておきます。育児休業法に基づき、原則として子が1歳になる前日まで取得可能で、特定の条件を満たせば2歳まで延長できます。
  1. 出産の報告
    出産後、会社に無事出産したことを報告します。産休期間の変更(予定日より早まった場合など)があれば伝えます。

  2. 出産手当金の申請
    産休中の収入補填として健康保険から支給される「出産手当金」を、会社経由で申請します。法的な産休期間(産前6週間+産後8週間)が確定後に書類を提出します。

  3. 育休の正式申請
    労働基準法第65条に基づく産後休業(産後8週間、原則就業不可)の終了後に育休を取得する場合、開始1ヶ月前までに正式に申請します。育児休業法に基づき、原則子が1歳になる前日まで取得可能。保育所に入所できないなどの条件を満たせば1歳6ヶ月まで、さらに同様の理由で2歳まで延長可能です(詳細条件は後述)。

  4. 健康保険関連の手続き
    • 出産育児一時金の処理状況を確認(会社経由の場合)します。
    • 赤ちゃんを会社の健康保険に加入させる手続きを人事部に問い合わせます。
  1. 育児休業給付金の申請
    育休中の収入補填として雇用保険から支給される「育児休業給付金」の初回申請を会社経由で行います。法的な育休期間(原則1歳まで、条件付きで2歳まで)に基づき支給されます。以降はハローワークに直接申請する場合もあります。

  2. 育休延長の申請(必要に応じて)
    ・育休を1歳を超えて延長する場合、以下の条件を満たす必要があります。
    ・延長を希望する場合は、会社に延長申請書と保育所入所不承諾通知書などを提出します。
    • 1歳6ヶ月までの延長条件: 子が1歳に達する時点で保育所に入所できない場合(入所待ちなど)。
    • 2歳までの延長条件: 子が1歳6ヶ月に達する時点で保育所に入所できない場合(再度入所待ちなど)。

  3. 復帰時期や条件の調整
    産後休業(産後8週間)の終了後、育休(原則1歳まで、条件付きで2歳まで)を取得する場合、復帰日や働き方(フルタイム、時短勤務など)を会社と相談し、正式に決定します。復帰前の面談が必要な場合もあります。
  1. 復職の連絡と準備
    法的な産後休業期間(産後8週間)が終了し、育休(原則1歳まで、最大2歳まで)も終えた後、復職日が近づいたら会社に最終確認の連絡を入れ、業務復帰の準備(引き継ぎの確認など)をします。

  2. 復職後のサポート制度の確認と申請
    ・復職後、法的に認められている以下の権利を会社に確認し、必要に応じて申請します。
    ・以下の権利を活用する場合、人事部に申請書を提出する必要があります。
    • 育児時間: 労働基準法第67条に基づき、生後1年未満の子を育てる場合、1日2回各30分の育児時間を請求可能。
    • 所定労働時間の短縮措置: 育児休業法第23条に基づき、3歳未満の子を持つ場合、1日6時間などの時短勤務を請求可能(事業主は拒否不可)。
    • 時間外労働の免除: 育児休業法第17条に基づき、3歳未満の子を持つ場合、時間外労働の免除を請求可能。
    • 深夜業の制限: 育児休業法第19条に基づき、小学校就学前の子を持つ場合、深夜業(22時~5時)の制限を請求可能。


これらのステップは、労働基準法で定められた
・産前休業(産前6週間、多胎妊娠の場合は14週間)
・産後休業(産後8週間)、育児休業法で定められた育休(原則1歳まで、条件付きで2歳まで)
・復職後に認められている育児支援の権利
を基に、妊娠から復職までの一連の流れをカバーしています。

会社とのコミュニケーションをこまめに取り、体調や家庭の状況に合わせて進めてください。

不明点があれば会社に確認し、無理なく準備してくださいね。

  

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