妻の年収はいくらまで扶養?(共働き・夫の年収500万円の例)

「扶養内で働くと得らしいけど、いくらまで?どれくらい得?」。2026年は法律が変わり、この答えも変わりました。この記事では、共働きで夫の年収が500万円の家庭を例に、金額で分かるように整理します。

この記事でわかること

  1. 年収いくらまで「扶養」になれるか(所得税・住民税・社会保険の3つ)
  2. 扶養になると、夫の所得税と住民税がいくら安くなるか
  3. 社会保険の扶養に入ると、妻の保険料がいくら抑えられるか

※2026年10月時点の情報です。金額は目安で、家庭の状況によって変わります。

まず結論:共働きで、夫の年収が500万円の場合

夫は会社員で年収500万円、妻はパートで働く共働きの家庭を例にします。

扶養には、夫の所得税の扶養、夫の住民税の扶養、夫の社会保険の扶養の3つがあります。それぞれ上限の年収も、得をする中身も違います。

夫の所得税の扶養夫の住民税の扶養夫の社会保険の扶養
妻の年収がいくらまで136万円以下136万円以下130万円未満(※)
扶養に入るとどうなるか夫の所得税が安くなる夫の住民税が安くなる妻は保険料を払わずに夫の健康保険に入れ、年金も保険料なしで加入扱いになる
いくら得か(年間の目安)約1.9万円約3.3万円妻の社会保険料 約18万〜30万円が0円
いつ反映されるか夫の12月の年末調整夫の翌年6月からの住民税扶養に入っている間ずっと

※130万円未満でも、妻の勤め先によっては夫の社会保険の扶養から外れることがあります(よくある質問Q1)。

ポイント

  • 妻の年収が136万円以下なら、夫の所得税が年約1.9万円、住民税が年約3.3万円、合わせて年約5.2万円安くなります。
  • 妻の年収が130万円未満なら、妻は夫の社会保険の扶養に入れます。妻の社会保険料は0円で、夫の保険料も増えません。
  • 夫の税金の得は年約5万円、妻の社会保険料の得は年約18万〜30万円です。

※金額は、記事末尾の「計算の前提」にもとづく目安です。

妻の年収で見る:いくらを超えるとどうなる?

妻の年収による違いを説明します。(共働きで夫の年収が500万円、千葉市に住んでいる場合の例です)

130万円以上になると:妻が夫の社会保険の扶養から外れる

  • 妻の社会保険:妻が自分で健康保険と年金に入り、保険料を払います。
  • いくらかかるか:妻の勤め先の社会保険に入る場合は年約18万円、国民健康保険と国民年金に入る場合は年約30万円です(国民年金が年約21.5万円、千葉市の国民健康保険料が年約8.4万円)。
  • 保険証も変わる:夫の健康保険は使えなくなり、妻の勤め先の健康保険か国民健康保険に切り替わります。夫の勤め先に扶養から外れることを伝え、国民健康保険に入る場合は14日以内に市区町村(千葉市は区役所など)で手続きします。遅れると保険料はさかのぼってかかり、手続き前の医療費は全額自己負担になります。

【注意】130万円を少し超えるくらいだと、超えない方が手取りが多くなることがあります。

136万円を超えると:妻が夫の税金(所得税・住民税)の扶養から外れる

  • 夫の税金:夫の所得税と住民税を安くする仕組みが、別の仕組みに切り替わります。
  • すぐには変わらない:妻の年収が、夫の所得税は169万円まで、夫の住民税は174万円まで、今までと同じだけ安くなります。
  • その先:それを超えると少しずつ上がり、207万円を超えると、夫の税金が年約5.2万円(所得税約1.9万円、住民税約3.3万円)上がります。
  • いつから:所得税は夫の12月の年末調整で、住民税は夫の翌年6月からの住民税で反映されます。

妻自身にかかる税金

  • 119万円を超えると、妻に住民税がかかり始めます(千葉市の場合。市区町村で違います)。最初は年数千円程度です。
  • 妻の所得税は、社会保険料を払っていなければ178万円を超えるとかかり始めます。ただし、130万円以上で社会保険料を払っている場合はその分だけ上がり、およそ207万円からになります。かかるのは超えた分だけです。

まとめ表:妻の年収と家計への影響(共働きで夫の年収500万円・千葉市)

妻の年収変わること家計への影響(年間)
119万円超妻に住民税がかかり始める妻の住民税 数千円〜
130万円以上妻が夫の社会保険の扶養から外れ、妻の社会保険に入る妻の社会保険料 約18万〜30万円
136万円超妻が夫の税金の扶養から外れるまだ変わらない
169万円超夫の所得税が少しずつ上がる夫の所得税が少しずつ増える
174万円超夫の住民税も少しずつ上がる夫の住民税も少しずつ増える
約207万円超夫の税金を安くする仕組みがなくなる。妻にも所得税がかかり始める(社会保険料を払っている場合)夫の税金 約5.2万円増。妻の所得税 超えた分の約5%

家計への影響が大きいのは130万円です。夫の税金は、妻が税金の扶養から外れてもすぐには変わらず、169万円までは大きな差は出ません。

よくある質問

Q1. 年収は130万円未満なのに、会社から社会保険に入るように言われました。なぜですか?

2026年10月から、次の条件にすべて当てはまると、年収に関係なく勤め先の社会保険に入ることになったためです。これは法律で決まっていることで、本人も会社も入るかどうかを選べません。

  • 勤め先の従業員が51人以上
  • 週の労働時間(契約上の時間)が20時間以上
  • 学生ではない

Q2. 年の途中で130万円を超えそうです。どうなりますか?

契約上の年収が130万円未満なら、残業などで結果的に130万円を超えても、常識的な範囲であれば扶養から外れなくて大丈夫です。2026年4月から、社会保険の扶養は、労働契約で決まっている時給と労働時間から見込まれる年収で判定するようになったためです。契約の段階では見込めない残業代などは、この年収に含めません。

また、人手不足などで一時的に働く時間が増えた場合は、勤め先に「一時的な収入増である」という証明を出してもらうことで、扶養に留まれる仕組みもあります。

ただし、シフト制で労働時間が決まっていない契約などは、これまでどおり給与明細などで判定されます。具体的な扱いは、夫の勤め先の健康保険に確認してください。

Q3. 夫の年収が500万円でない場合は?

夫の年収が上がると税率が上がるため、税金が安くなる額は増えます。ただし、夫の年収がおよそ1,095万円を超えると少なくなり、およそ1,195万円を超えるとなくなります。社会保険の扶養は、妻の年収が130万円未満で、かつ夫の年収の半分未満であることが条件です(同居している場合)。

まとめ

  • 妻の年収が136万円以下なら、夫の税金が年約5.2万円安くなる(所得税約1.9万円+住民税約3.3万円、夫の年収500万円の場合)
  • 妻の年収が130万円未満なら、妻は夫の社会保険の扶養に入れ、年約18万〜30万円の保険料がかからない
  • 家計への影響が大きいのは130万円。働き方を考えるときは、まずここを基準にする
  • 妻の勤め先の従業員が51人以上で、週20時間以上働く契約なら、年収に関係なく勤め先の社会保険に入る

確認先の公的機関

計算の前提

  • 2026年分の制度で計算しています。夫も妻も給与収入のみ、40歳未満、千葉市に住んでいる場合です。
  • 夫:年収500万円、社会保険料は年約73万円として計算しています。この場合、夫の所得税の税率は5%(復興特別所得税を含めて5.105%)です。
  • 夫の税金が安くなる額:所得税は38万円 × 5.105% = 約1.9万円、住民税は33万円 × 10% = 3.3万円です。
  • 妻の社会保険料:国民年金は月17,920円(2026年度)、国民健康保険料は千葉市の2026年度の料率で、妻の年収130万円として試算しています。勤め先の社会保険は給与の約14%で計算しています。
  • 妻に所得税がかかり始める年収(社会保険料を払っている場合):年収から給与所得控除74万円、基礎控除104万円、社会保険料(年収の約14%)を引いて0になる、およそ207万円です。

この記事の金額は一般的な目安です。ご自身の状況については、税金は税務署や税理士、社会保険は夫の勤め先の健康保険や社会保険労務士にご相談ください。