はじめに
給与明細を手に持つたびに、「厚生年金保険料」って項目が気になったことはありませんか?
「これって何のために払ってるの?」
「なんでこんなに高いの?」
と疑問に思う人も多いはず。
実は、厚生年金保険料は私たちの給与としっかり結びついていて、その仕組みを理解すると将来への備えが見えてきます。
今回は、厚生年金保険料がどうやって決まるのか、給与との関係、そしてそのお金が何に使われているのかを一緒に紐解いてみましょう!
厚生年金保険料って何?
厚生年金保険料は、日本の公的年金制度の一部で、会社員や公務員が加入する「厚生年金」を支えるお金です。
毎月の給与から天引きされていて、健康保険料や介護保険料と並んで結構目立つ金額ですよね。
この保険料で老後に受け取る年金や、万が一の障害・死亡時の保障を準備しています。
標準報酬月額って何?
厚生年金保険料を計算する鍵は「標準報酬月額」です。
これは、基本給や残業代、通勤手当などを含めた「総支給額」を元に決まる目安の金額。
たとえば、月給が30万円なら、「標準報酬月額表」に当てはめて、近い金額(28万円~32万円の範囲なら「30万円」)が割り当てられます。
この表は健康保険や介護保険と同じものを使っていて、給与を「標準化」することで毎月の変動を抑える工夫がされています。
給与明細を見ると、「あ、これで計算されてるんだな」とピンとくるはず。
厚生年金保険料の計算方法と給与の関係
標準報酬月額が決まったら、次に保険料率をかけます。
厚生年金の場合、保険料率は全国一律で、2025年現在は18.3%。
たとえば、標準報酬月額が30万円なら、
30万円 × 18.3% = 54,900円
が保険料の総額。
でも、これも会社と折半なので、あなたが払うのは約27,450円、残りは会社が負担してくれます。
これが給与明細に載る額ですね。
給与が上がれば標準報酬月額も上がり、保険料も増えます。
たとえば月給40万円なら、保険料は73,200円(自己負担36,600円)に。
逆に給与が下がると減るので、収入に連動した仕組みなんです。
保険料が決まる時期と期間は?
では、この保険料はいつ決まるのでしょうか?
厚生年金保険料も、健康保険と同じく毎年9月の「定時決定」で見直されます。
4月~6月の給与実績を平均して標準報酬月額を決め、その年の9月から翌年8月までの1年間適用されます。
たとえば、2025年4月~6月の給与が30万円なら、その額をもとに2025年9月から2026年8月までの保険料が決まります。
ただし、昇給や転職で給与が大きく変わった場合は「随時改定」で途中で調整されることもあります。
給与の変化が大きいと、保険料もそのタイミングで変わる可能性があるんです。
ボーナスにも関係あるの?
はい、あります!ボーナスにも厚生年金保険料がかかります。
ただし、ボーナスの場合は「標準賞与額」として計算され、上限(1回あたり150万円)を超える分には保険料がかかりません。
給与明細で「ボーナス減ってる!」と感じるポイントですね。
厚生年金保険料は何に使われるの?
ここまで「どうやって決まるか」を見てきましたが、このお金が何に使われているのか気になりますよね。
厚生年金保険料は、将来の自分や社会全体を支えるための「貯金」のようなもの。
具体的には:
- 老齢年金:退職後に受け取る年金。これが厚生年金のメインで、払った分が多いほど将来の受給額が増えます。
- 障害年金:病気やケガで働けなくなった場合の保障。万が一の備えとして重要な役割。
- 遺族年金:加入者が亡くなったとき、家族に支払われる支援金。残された人を守ります。
- 制度の運営:年金機構や事務処理のための費用にも一部が使われます。
つまり、今払っている保険料は自分の将来のためだけでなく、今の年金受給者を支える「世代間の助け合い」にも繋がっているんです。
まとめ
厚生年金保険料は、給与から標準報酬月額を決めて計算され、年に1回の見直しで適用期間が決まります。
会社が半分負担してくれる仕組みで、そのお金は老後や万が一の保障に使われています。
給与明細を見て「高いな…」と思うかもしれませんが、これが将来の安心や社会の支えになるんですよね。
給与と保険料の関係を知ると、自分の「お金」がどこに繋がっているか見えてきます。
次回の給与明細、ちょっとじっくり見てみませんか?