給与担当者向けに、給与業務の対象者と、月次・年間・随時の業務と期限をまとめています。
給与業務の対象者
給与業務では、従業員への給与支給だけでなく、税金や社会保険について各機関への届出・納付を行い、会計処理もします。
| 対象 | 行う業務 |
|---|---|
| 従業員 | 給与の支給、給与明細の通知、給与に関する各種手続き |
| 国(税務署) | 所得税に関する業務 |
| 市区町村 | 住民税に関する業務 |
| 日本年金機構・健康保険組合 | 健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金保険に関する業務 |
| ハローワーク・労働基準監督署(労働局) | 雇用保険・労災保険に関する業務 |
| 会計 | 人件費と、各機関への支払額の計上 |
- 届出先の違い:協会けんぽに加入する会社は、健康保険も厚生年金保険も日本年金機構にまとめて届け出ます。健康保険組合に加入する会社は、健康保険を組合に、厚生年金保険を日本年金機構に分けて届け出ます
接点:給与計算の結果の行き先
| 給与計算の結果 | 行き先 |
|---|---|
| 差引支給額・給与明細 | 従業員 |
| 源泉所得税 | 国(税務署) |
| 住民税 | 市区町村 |
| 健康保険料・介護保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料 | 日本年金機構・健康保険組合 |
| 雇用保険料 | 労働局(年度更新で労災保険料とまとめて) |
| 人件費・預り金・法定福利費 | 会計 |
納付期限と納期の特例は、月次業務の納付期限の表にあります。
月次業務
毎月の給与支給にあわせて、次の5つの段階で業務を行います。
- 給与計算前処理:給与計算に必要な情報を確認します。勤怠、支給項目、控除項目、社会保険、住民税の情報です。
- 給与計算処理:確認した情報で支給額・控除額・差引支給額を計算し、結果を確認します。
- 給与計算後処理:従業員への給与の支給と、給与明細の通知です。
- 納付・届出処理:源泉所得税・住民税・社会保険料の納付と、必要な届出です。
- 会計処理:人件費、預り金(従業員から預かった税・保険料)、法定福利費(会社負担の保険料)を計上します。
対象者ごとの月次業務
| 段階 | 従業員 | 所得税 | 住民税 | 社会保険 | 労働保険 | 会計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 前処理 | 支払額の確認 | 扶養情報の確認 | 住民税額の確認 | 月額変更の対象者、年齢に達した人、入社・退職した人、保険料が免除される人の確認 | 雇用保険の加入状況の確認 | — |
| 計算 | 支払額の計算 | 源泉所得税の計算 | 住民税の控除 | 社会保険料の計算 | 雇用保険料の計算 | — |
| 後処理 | 給与支給、給与明細の通知 | — | — | — | — | — |
| 納付・届出 | — | 源泉所得税の納付(翌月10日) | 住民税の納付(翌月10日) | 社会保険料の納付(翌月末日)、月額変更届 | —(年度更新でまとめて納付) | — |
| 会計 | — | — | — | — | — | 給与仕訳の計上 |
社会保険の前処理で確認すること
- 月額変更の対象者:固定的賃金が変わった人(随時改定)
- 年齢に達した人:40歳(介護保険料の開始)、65歳(介護保険料の終了)、70歳(厚生年金保険の終了)、75歳(健康保険の終了)
- 入社・退職した人:資格の取得と喪失。月末に退職した人は、最後の給与で前月分と当月分の保険料を控除します
- 保険料が免除される人:産休・育休の申出があった人
定時決定は年1回の業務です(年間業務)。
住民税の前処理で確認すること
- 退職した人:1月〜4月の退職は一括徴収(原則)、5月の退職は最後の月の分として5月の給与から控除、6月〜12月の退職は本人の申出があれば一括徴収(なければ普通徴収)
納付期限
| 種類 | 原則 | 納期の特例(給与の支払を受ける人が常時10人未満で、承認を受けた会社) |
|---|---|---|
| 源泉所得税 | 給与を支払った月の翌月10日 | 年2回:1月〜6月分を7月10日、7月〜12月分を1月20日 |
| 住民税 | 給与から特別徴収した月の翌月10日 | 年2回:6月〜11月分を12月10日、12月〜5月分を6月10日 |
| 社会保険料 | 保険料の対象の月の翌月末日 | — |
- 期限が土日・祝日・年末年始に当たるときは、翌営業日が期限です
労働保険は月ごとに納付しない
雇用保険料は毎月の給与から控除しますが、国への納付は月ごとではありません。毎年6月1日〜7月10日の年度更新(年間業務)で、1年分を労災保険料(全額会社負担)とまとめて申告・納付します。条件を満たせば、年3回(7月10日、10月31日、1月31日)に分けて払えます(延納)。
年間業務
毎年決まった時期に行う、給与の業務と期限です。
| 月 | 所得税 | 住民税 | 社会保険 | 労働保険 |
|---|---|---|---|---|
| 3月 | — | — | 健康保険・介護保険の料率改定(協会けんぽは3月分から) | — |
| 4月 | — | — | 改定後の料率で控除開始(4月給与から) | 雇用保険料率の改定(4月から) |
| 5月 | — | 特別徴収税額通知書の受領(市区町村が5月31日までに通知) | — | — |
| 6月 | — | 新年度の住民税額の適用開始(6月給与から)、納期の特例分の納付(6月10日) | — | 年度更新の開始(6月1日〜) |
| 7月 | 納期の特例分の納付(7月10日) | — | 算定基礎届の提出(7月1日〜10日) | 年度更新の申告・納付(7月10日まで、延納の第1期) |
| 8月 | — | — | — | — |
| 9月 | — | — | 定時決定後の標準報酬月額の適用(9月分から、10月給与で控除) | — |
| 10月 | — | — | — | 延納の第2期(10月31日) |
| 11月 | 年末調整の申告書の回収(翌年分の扶養控除等申告書を含む) | — | — | — |
| 12月 | 年末調整 | 納期の特例分の納付(12月10日) | — | — |
| 1月 | 再年末調整、源泉徴収票の交付、法定調書合計表の提出(1月31日)、納期の特例分の納付(1月20日) | 給与支払報告書の提出(1月31日) | — | 延納の第3期(1月31日) |
| 2月 | — | — | — | — |
- 会社が行う届出・提出・納付の期限が土日・祝日・年末年始に当たるときは、翌営業日が期限です
- 健康保険組合に加入している会社は、料率を組合ごとに決めています。料率と改定の時期は、加入している組合で確認してください
- 納期の特例は、給与の支払を受ける人が常時10人未満で、承認を受けた会社だけです(所得税は税務署、住民税は市区町村の承認)
- 賞与は、支給する月に別の手順で計算と届出をします
随時業務
従業員の入社・身上異動・休職・休業・復職・退職などがあったときに、必要な確認と各機関への届出を行います。
| 場面 | 所得税 | 住民税 | 社会保険 | 雇用保険 |
|---|---|---|---|---|
| 入社 | 扶養控除等(異動)申告書、前の会社の源泉徴収票、マイナンバー | 状況により異動届出書の引継ぎ/特別徴収への切替の届出(名前は市区町村による)/不要 | 資格取得届(5日以内) | 資格取得届(翌月10日まで) |
| 身上異動 | 扶養控除等の異動申告(異動後、最初の給与の支払日の前日まで) | — | 被扶養者(異動)届(5日以内)、氏名・住所変更届(原則不要) | — |
| 休職・休業 | — | 天引きできない場合は異動届出書で普通徴収へ など | 産前産後休業・育児休業等取得者申出書 | — |
| 復職 | — | — | 産前産後休業・育児休業等終了時報酬月額変更届 | — |
| 退職 | 源泉徴収票の交付(退職の日以後1か月以内) | 給与所得者異動届出書(翌月10日まで) | 資格喪失届(5日以内) | 資格喪失届・離職証明書(離職の日の翌日から10日以内) |
- 表の期限は、入社・退職などの出来事の日から数えます。次の期限の表示とGoogleカレンダーには出ません
- 氏名・住所変更届は、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている人は原則として不要です(日本年金機構への届出。健康保険組合に加入する会社は、組合の手続きも確認してください)