はじめに
毎月の給与明細を見ていて、「健康保険料」って項目に目が留まったことはありませんか?
「これって何?」
「なんでこんなに引かれてるの?」
と疑問に思う方も多いはず。
実は、健康保険料は私たちの給与と密接に関係していて、その仕組みを知ると「お金の流れ」がぐっとわかりやすくなります。
今回は、健康保険料がどうやって決まるのか、給与との関係、そしてそのお金が何に使われているのかを一緒に紐解いてみましょう!
健康保険料って何?
健康保険料は、日本の健康保険制度を支えるためのお金です。
会社員の場合は「健康保険組合」や「協会けんぽ」に加入していることが多く、毎月の給与から天引きされています。
この保険料のおかげで、病気やケガで病院に行ったとき、医療費の一部(たとえば3割)を払えば済むんです。
標準報酬月額って何?
健康保険料を計算する上で鍵になるのが「標準報酬月額」です。
これは、基本給や残業代、通勤手当などを含めた「総支給額」を元に決まる目安の金額。
たとえば、あなたの月給が30万円だとします。
この場合、健康保険のルールで定められた「標準報酬月額表」に当てはめて、近い金額(28万円~32万円の範囲なら「30万円」)が割り当てられます。
この表は全国共通で、給与の額を細かく区分けして「標準化」しているのが特徴。
毎月の給与がちょっと変動しても保険料がコロコロ変わらないようにするための工夫なんです。
健康保険料の計算方法と給与の関係
標準報酬月額が決まったら、次はその数字に保険料率をかけます。
保険料率は加入している健康保険の種類によって異なり、たとえば協会けんぽなら都道府県ごとに違いますが、おおよそ10%前後(2025年現在)。
たとえば、標準報酬月額が30万円なら、
30万円 × 10% = 3万円が保険料の目安。
でも、この金額は会社と折半!あなたが払うのは約1.5万円で、残りは会社が負担してくれます。
これが給与明細に載っている額ですね。
給与が上がれば標準報酬月額も上がり、保険料も増えます。
たとえば月給40万円なら、保険料は2万円(自己負担1万円)に。
逆に給与が下がると保険料も減るので、収入に連動する仕組みなんです。
保険料が決まる時期と期間は?
では、この健康保険料っていつ、どの期間で決まるのでしょうか?
実は、標準報酬月額は年に1回見直されるのが基本。
多くの場合、毎年9月に「定時決定」というプロセスが行われます。
これは、4月~6月の給与実績を平均して新しい標準報酬月額を決め、その年の9月から翌年8月までの1年間適用される仕組みです。
たとえば、2025年4月~6月の給与が30万円だった場合、その平均額をもとに標準報酬月額が決まり、2025年9月から2026年8月までその金額で保険料が計算されます。
ただし、昇給や転職で給与が大きく変わったときは「随時改定」という形で途中で見直されることもあります。
なので、給与の変動が大きい人は保険料もそのタイミングで変わる可能性があるんです。
ボーナスにも関係あるの?
はい、あります!ボーナスにも健康保険料がかかります。
ただし、ボーナスの場合は「標準賞与額」として計算され、上限(たとえば年間573万円)を超える分には保険料がかかりません。
給与明細で「ボーナスから引かれてる!」と気づくポイントですね。
健康保険料は何に使われるの?
ここまで「どうやって決まるか」を見てきましたが、このお金が何に使われているのかも気になりますよね。
健康保険料は、私たちが安心して医療を受けられる「みんなの貯金」のようなもの。
具体的には:
- 医療費のサポート:病院で診察や薬をもらうとき、自己負担が3割で済むのは保険料のおかげ。残り7割をカバーしています。
- 予防や健康管理:健康診断や予防接種の補助にも使われ、病気予防をサポート。
- 高額医療への備え:大きな病気で治療費が高額になった場合、「高額療養費制度」で負担軽減。これも保険料が支えています。
- 保険制度の運営:健康保険組合や協会けんぽの運営費用にも一部が充てられます。
つまり、自分や家族を守るだけでなく、他の加入者と助け合う仕組みなんです。
まとめ
健康保険料は、給与から標準報酬月額を決めて計算され、年に1回の見直しで適用期間が決まります。
会社が半分負担してくれる仕組みで、そのお金は医療や健康を支えるために使われています。
給与明細を見て「高いな…」と思うかもしれませんが、これがあるから安心して病院に行けるんですよね。
給与と保険料の関係を知ると、自分の「お金」がどこにどう使われているか見えてきます。
次回の給与明細、ちょっとじっくり見てみませんか?