令和8年分の年末調整、生命保険料控除の特例は申告書と特例の表で対応できる【給与システム担当者向け】

23歳未満の扶養親族がいる社員の生命保険料控除は、何が変わるのか?

→ 令和8年分 年末調整の改正点と実務対応|給与担当者がやること【チェックリスト付き】

このシステムの実現方法を考えます。

業務要件を整理する

令和8年分の年末調整の生命保険料控除で、去年から変わったのは次の3つです。

  • 保険料控除申告書に、「年齢23歳未満の扶養親族の有無」の欄が加わった。23歳未満の扶養親族がいる社員は、その下の欄に対象者を書く
  • 対象者を書いた社員は、一般の生命保険料のうち新契約の分を、特例の表で計算する
  • 対象者を書いた社員は、新契約と旧契約の両方を払っている場合の上限も、6万円になる

特例は、令和8年分と令和9年分の年末調整で使います。

通常の表と特例の表を並べると、次のとおりです。

一般の生命保険料の新契約の表

通常

年間の保険料控除額
2万円以下全額
2万円超4万円以下保険料×1/2+1万円
4万円超8万円以下保険料×1/4+2万円
8万円超4万円

特例

年間の保険料控除額
3万円以下全額
3万円超6万円以下保険料×1/2+1万5,000円
6万円超12万円以下保険料×1/4+3万円
12万円超6万円

システムの実現性を考える

データ:何を持つか

  • 業務要件:特例を使うかどうかは、保険料控除申告書に対象者が書かれているかで決まる
  • 論点:申告書の対象者を、どう持つか
  • 検討:
    • 申告書の欄に対象者があれば、控除額を計算する
    • → 「特例有」の項目を持つ
    • 対象者を管理する必要があるか
      • 対象者が扶養している家族であれば、家族情報で管理されている
      • 今回の特例は、23歳未満なら、扶養していなくても対象になる
      • 源泉徴収票には、対象者を表示させない
      • そのため、必要になるのは次の場合
        • 保険料控除申告書をシステムから再出力する場合
        • 申告された対象者が家族にいるか確認する場合
      • それ以外は、必要ない
    • → 次の場合は、扶養に入っていない23歳未満の扶養親族も家族情報に入れる
      • 保険料控除申告書をシステムから再出力する
      • 申告された対象者が家族にいるか確認する

注意:扶養に入っていない23歳未満の扶養親族は、税扶養区分は対象外で入れる

計算:どう計算するか

  • 業務要件:対象者を書いた社員は、一般の生命保険料の新契約の分を特例の表で計算し、上限は6万円になる
  • 論点:特例の計算を、システムでどう持つか
  • 検討:
    • 通常の表と特例の表は、区切りと金額が違うだけで、計算の形は同じ
    • 表と同じものをテーブルで持っていれば、特例の表を1つ足すだけで済む
    • 計算式をプログラムの中に書き込んでいると、プログラムを直すことになる
    • 新契約と旧契約の両方を払っている場合の上限も、表と一緒にテーブルで持てば、表を選んだだけで決まる
    • 特例の表を使うのは、一般の生命保険料の新契約の分だけ
    • → 特例の表を、通常の表と同じ形のテーブルで持つ。「特例有」の社員は特例の表を使う

システム要件

  • データ:保険料控除申告書の「特例有」の項目を持つ
  • 計算:特例の表を、通常の表と同じ形のテーブルで、令和8年分に持つ。「特例有」の社員は、一般の生命保険料の新契約の分を特例の表で計算する

注意:保険料控除申告書をシステムから再出力する場合や、申告された対象者が家族にいるか確認する場合は、扶養に入っていない23歳未満の扶養親族も、税扶養区分を対象外にして家族情報に入れる必要がある

システムで対応すること

  • 保険料控除申告書の様式を、令和8年分用に作る
  • 「特例有」の項目を作る
  • 令和8年分のテーブルに、特例の表を足す
  • 「特例有」の社員は特例の表を使うように、表の選び方を足す

業務担当に入れてもらうこと

  • 保険料控除申告書に対象者があれば、「特例有」を入れてもらう

※家族情報に入れる場合は、システム要件の注意を参照

これでシステムが動きます。

まとめ

  • 生命保険料控除の特例で足すのは、保険料控除申告書の「特例有」の項目と、特例の表
  • 表と同じ形のテーブルで持っていれば、特例の表を足して、「特例有」のときに選ぶだけで済む

※家族情報に入れる場合は、システム要件の注意を参照