基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方|何のための書類か、準備するもの、欄ごとの記入例

年末調整の時期に、会社から「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」が配られます。名前が長く、欄も多いので、どこを書けばいいのか迷う人も多いと思います。この記事では、この申告書の目的、出す前に準備するもの、欄ごとの書き方とよくある間違いを説明します。

この記事でわかること

  1. 基礎控除申告書(兼用の申告書)は何のための書類か、自分はどの欄を書くのか
  2. 出す前に準備するもの
  3. 欄ごとの書き方と、よくある間違い

※2026年11月時点の情報です。例は、2026年の年末調整で出す令和8年分(2026年分)の様式です。金額や生年月日の範囲は、年によって変わることがあります。

結論:年末調整で控除を受けるための、4つの申告書が1枚になった書類

ポイント

  • この申告書は、年末調整で基礎控除・配偶者控除・配偶者特別控除・特定親族特別控除・所得金額調整控除を受けるための書類。4つの申告書が1枚になっている
  • 基礎控除申告書の欄は、ほとんどの人が書く。ほかの3つの欄は、当てはまる人だけが書く
  • 扶養控除等申告書に家族を書いていても、年末調整で配偶者控除などを受けるには、この申告書が別に必要

この申告書は何のための書類?

この申告書は、会社員が、年末調整で次の控除を受けるために会社に出す書類です。4つの申告書が1枚の用紙になっています。

申告書(欄)受ける控除書く人
所得金額調整控除申告書所得金額調整控除給与の収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいるなどの要件に当たる人
給与所得者の基礎控除申告書基礎控除ほとんどの人
給与所得者の配偶者控除等申告書配偶者控除・配偶者特別控除配偶者がいて、この控除を受ける人
給与所得者の特定親族特別控除申告書特定親族特別控除19歳以上23歳未満の家族(配偶者を除く)の所得が、一定の範囲にある人

この申告書は、その年の年末調整のための書類です。令和8年分なら、2026年の年末調整で使います。会社には、その年の最後の給料をもらう日の前日までに出します。

扶養控除等申告書との違い

扶養控除等申告書の「源泉控除対象配偶者」(A欄)や「源泉控除対象親族」(B欄)は、毎月の給料から引く所得税のための欄です。年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除や特定親族特別控除を受けるのは、この申告書です。扶養控除等申告書の書き方は、扶養控除等申告書の書き方|何のための書類か、準備するもの、欄ごとの記入例で説明しています。

出す前に準備するもの

準備するもの使う欄
23歳未満の扶養親族や、特別障害者に当たる家族の情報(給与の収入が850万円を超える人だけ)所得金額調整控除申告書
自分のその年の給与の収入の見込み(給与明細・賞与の額。年の途中で転職した人は、前の勤務先の源泉徴収票)給与所得者の基礎控除申告書
自分の給与以外の所得の見込み(年金・副業など。ある人だけ)給与所得者の基礎控除申告書
配偶者の氏名・フリガナ・個人番号・生年月日と、その年の所得の見込み給与所得者の配偶者控除等申告書
19歳以上23歳未満の家族(特定親族)の氏名・フリガナ・個人番号・続柄・生年月日と、その年の所得の見込み給与所得者の特定親族特別控除申告書
別居している家族の住所給与所得者の配偶者控除等申告書・給与所得者の特定親族特別控除申告書
国外に住む家族の、親族関係・送金の書類(いる場合)給与所得者の配偶者控除等申告書・給与所得者の特定親族特別控除申告書

所得の見積額の出し方は、所得とは?収入との違いと、年末調整の申告書に書く家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。

※個人番号は、会社によっては書かなくてよい場合があります。勤務先の案内で確認できます。

※国外に住む家族の親族関係の書類を、扶養控除等申告書のときに出している場合は、もう一度出す必要はありません。

書き方(令和8年分の様式で、欄ごと)

上の段所得金額調整控除申告書給与所得者の基礎控除申告書給与所得者の配偶者控除等申告書給与所得者の特定親族特別控除申告書

計算の順番に合わせて、所得金額調整控除申告書から説明します。用紙の並びとは違います。

上の段(あなたの情報)

  • あなたの氏名・フリガナ・あなたの住所又は居所:自分のことを書きます
  • 所轄税務署長・給与の支払者の名称・給与の支払者の所在地:会社の案内に従って書きます
  • 給与の支払者の法人番号:会社が書くので、書く必要はありません

所得金額調整控除申告書

給与の収入が850万円以下の人は、この欄は関係ありません。

→ 次の「給与所得者の基礎控除申告書」へ

書く人は、給与の収入が850万円を超えていて、次のどれかに当たる人です。

  • あなた自身が特別障害者
  • 23歳未満の扶養親族がいる(令和8年分では平成16年1月2日以後生まれ)
  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる

夫婦の両方が要件に当たれば、2人とも受けられます。

書き方

  1. 当てはまる「要件」に印をつける(2つ以上当てはまっても、印は1つで足ります)
  2. その右の欄(用紙に示された☆欄・★欄)に、対象の家族などのことを書く

この控除を受ける人は、次の「給与所得者の基礎控除申告書」で所得の見積額を出すとき、給与所得からこの控除の額を引きます。

控除の額は、次の式で出します。

  • 控除の額 =(年収 − 850万円)× 10%
  • 年収が1,000万円を超えるときは、1,000万円で計算します(最大15万円)
  • 公的年金も受け取っている人は、年金の所得(10万円まで)も足します

給与所得者の基礎控除申告書

合計所得金額の見積額が2,500万円を超える人は、基礎控除を受けられません。それ以外の人は、全員が書きます。

所得の見積額の出し方は、所得とは?収入との違いと、年末調整の申告書に書く家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。

書き方

  1. 「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」を書く
    • (1)給与所得:用紙の「【参考】給与所得金額の計算方法」の表で、年収から求めます
    • 所得金額調整控除を受ける人は、求めた給与所得から、その控除の額を引きます
    • (2)給与所得以外の所得:年金・副業などがある人だけ
    • (1)+(2)が、合計所得金額の見積額
  2. 判定の欄で、当てはまる区分に印をつける
  3. 「基礎控除の額」を書く
合計所得金額の見積額基礎控除の額(令和8年分)
489万円以下104万円
489万円超 655万円以下67万円
655万円超 2,350万円以下62万円

※2,350万円を超えると、基礎控除の額は少なくなります。用紙の「控除額の計算」の表で確認できます。

記入例(令和8年分)

年収500万円(給料だけ)の場合

  • 給与所得:500万円 ÷ 4 × 3.2 − 44万円 = 356万円
  • 合計所得金額の見積額:356万円
  • 基礎控除の額:104万円(489万円以下)

年収1,200万円(給料だけ)で、23歳未満の子がいる場合

  • 給与所得:1,200万円 − 195万円 = 1,005万円
  • 所得金額調整控除:(1,000万円 − 850万円)× 10% = 15万円
  • 合計所得金額の見積額:1,005万円 − 15万円 = 990万円
  • 基礎控除の額:62万円(655万円超 2,350万円以下)

給与所得者の配偶者控除等申告書

配偶者がいない人や、下の条件に当たらない人は、この欄は関係ありません。

書く人は、次の両方に当たる人です(令和8年分)。

  • あなたの合計所得金額の見積額が1,000万円以下
  • 配偶者の合計所得金額の見積額が133万円以下(給料だけなら年収207万円以下)

所得の見積額の出し方は、所得とは?収入との違いと、年末調整の申告書に書く家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。

書き方

  1. 区分Ⅰを書く(用紙では、基礎控除申告書の欄の中にあります)
    • 900万円以下:A
    • 900万円超 950万円以下:B
    • 950万円超 1,000万円以下:C
  2. 配偶者の氏名・個人番号・生年月日などを書く(住所が違う場合は、住所又は居所も)
  3. 配偶者の本年中の合計所得金額の見積額を書く
  4. 配偶者の所得と年齢から、区分Ⅱ(①〜④)を決める
  5. 区分Ⅰと区分Ⅱから、「配偶者控除の額」または「配偶者特別控除の額」を書く

記入例(令和8年分)

年収500万円(給料だけ)の場合

  • 合計所得金額の見積額:356万円
  • 900万円以下なので、区分Ⅰは「A」

年収1,200万円(給料だけ)で、23歳未満の子がいる場合

  • 合計所得金額の見積額:990万円
  • 950万円超 1,000万円以下なので、区分Ⅰは「C」

区分Ⅱや控除額の決め方と記入例は、配偶者控除等申告書の書き方(令和8年分)|記入例と、よくある間違いで説明しています。

給与所得者の特定親族特別控除申告書

19歳以上23歳未満の家族がいない人は、この欄は関係ありません。
19歳以上23歳未満の家族でも、年収136万円以下(所得62万円以下)ならこの欄は関係ありません。

所得の見積額の出し方は、所得とは?収入との違いと、年末調整の申告書に書く家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。

書く人は、次のすべてに当たる家族(特定親族)がいる人です(令和8年分)。

  • あなたと生計を一にする親族(配偶者などを除く)
  • 19歳以上23歳未満(平成16年1月2日〜平成20年1月1日生まれ)
  • 合計所得金額の見積額が62万円超123万円以下(給料だけなら年収136万円超197万円以下)

書き方

  1. 家族ごとに、氏名・個人番号・続柄・生年月日・本年中の合計所得金額の見積額を書く
  2. 用紙の「控除額の計算」の表で、「特定親族特別控除の額」を書く

同じ子について受けられるのは、夫婦のどちらか1人です。

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年末調整ツール(令和8年分)|申告書の下書き・計算シミュレーション・申告書ガイド

よくある間違い

  • 収入をそのまま「所得の見積額」に書く:書くのは所得です。給料だけなら、収入から給与所得控除を引いた金額です
  • 給与以外の所得を書き忘れる:年金や副業の所得がある人は、「給与所得以外の所得の合計額」に書きます
  • 区分Ⅰを書き忘れる:配偶者控除等申告書を書く人は、区分Ⅰがないと控除額が決まりません
  • 扶養控除等申告書に書いたから、この申告書はいらないと思う:扶養控除等申告書のA欄・B欄は、毎月の所得税のための欄です。年末調整の配偶者控除・特定親族特別控除は、この申告書で受けます
  • 同じ子を、夫婦の両方が特定親族として書く:同じ子について特定親族特別控除を受けられるのは、どちらか1人です
  • 去年の申告書の金額を写す:控除額の区分や、家族の所得は年によって変わります。その年の用紙で書きましょう

迷ったときは、勤務先の担当者か、税務署に確認してください。

まとめ

  • この申告書は、年末調整で基礎控除・配偶者控除・特定親族特別控除・所得金額調整控除を受けるための書類。4つの申告書が1枚になっている
  • 所得金額調整控除は、給与の収入が850万円を超える人だけ
  • 基礎控除申告書の欄は、ほとんどの人が書く。自分の所得の見積額から、基礎控除の額を決める
  • 配偶者・19〜22歳の家族の欄は、当てはまる人だけ書く
  • 扶養控除等申告書に家族を書いていても、年末調整の配偶者控除などには、この申告書が必要

確認先の公的機関

この記事は一般的なしくみの説明です。ご自身の申告書の書き方については、勤務先の担当者、または税務署にご確認ください。