住宅ローン控除の1年目は年末調整できない|それでもお金は戻ります。大切なのは届いた証明書の保管

家を買って住み始めた最初の年は、金融機関から「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が届きます。会社で年末調整の書類が配られる時期と重なることが多いので、「この証明書、会社に出せばいいの?」と迷う人も多いと思います。この記事では、住宅ローン控除の1年目にすることを、順番に説明します。

この記事でわかること

  1. 1年目は、年末調整では住宅ローン控除が受けられないこと
  2. 確定申告でお金が戻ること、それまで保管するもの
  3. いくら戻るか、2年目からはどうなるか

※2026年11月時点の情報です。例は令和8年分(2026年に住み始めた人)のものです。控除の率や限度額は、住み始めた年と住宅の種類で違います。

結論:1年目は確定申告。届いた証明書は大切に保管

ポイント

  • 住宅ローン控除の1年目は、年末調整ではできない。確定申告で受ける
  • でも安心してください。確定申告をすれば、お金は戻る(戻るのは所得税の額まで。残りは翌年度の住民税が減る)。2027年1月1日から出せる
  • それまで、届いた年末残高等証明書は大切に保管する(調書方式の人は、添付が要らない)

証明書が届いても、年末調整ではできない

住宅ローン控除は、最初の年は、年末調整では受けられない決まりです。証明書を会社に出しても、1年目の年末調整には使えません。

年末調整で使う「住宅借入金等特別控除申告書」は、1年目にはまだ手元にありません。そのため、年末調整で受けられるのは2年目からです。

会社の年末調整は、ほかの申告書(扶養控除等申告書・保険料控除申告書など)を出して、いつもどおり受けます。

でも安心してください。確定申告で戻ってきます

少し手間はかかりますが、確定申告をすれば、住宅ローン控除の分のお金は戻ってきます(いくら戻るかは、このあと説明します)。

1年目は、住宅ローンの分だけ、あとで確定申告をします。

年末調整で使う「住宅借入金等特別控除申告書」は、1年目に確定申告をすると、2年目の年末調整の前に、税務署から届きます。

  • 2026年分の確定申告(お金が戻る申告)は、2027年1月1日から出せます。3月の確定申告の期間を待たなくても大丈夫です
  • 出し忘れても、5年のあいだは出せます
  • 出し先は、住んでいる地域の税務署です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って作れます

確定申告まで、手元に保管するもの

住宅ローンの年末残高を確定申告に使う方法は、借りた金融機関によって2つあります。どちらかは、金融機関の案内で確認できます。

方式年末残高等証明書すること
証明書方式金融機関から届く確定申告に使うので、大切に保管する
調書方式(金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を出した人)確定申告に添付しなくてよい金融機関の案内を保管する。年末残高は、マイナポータル連携で確定申告書に入れられる(事前の準備が必要)

※調書方式は、令和6年1月以降に住み始めた人が対象です。対応している金融機関は、国税庁の一覧で確認できます。

1年目の確定申告では、年末残高のほかに、次のような書類も使います。家を買ったときの書類は、捨てずにまとめておきましょう。

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(確定申告書等作成コーナーで作れます)
  • 家の登記事項証明書(計算明細書に不動産番号を書けば、添付しなくてよい)
  • 工事請負契約書や売買契約書の写し(家の値段が分かるもの)
  • 住宅の種類(省エネ住宅など)を示す書類
  • 補助金をもらった場合は、その額が分かる書類
  • 年末調整のあとに会社から受け取る源泉徴収票

※要る書類は、住宅の種類や買い方で変わります。調書方式の人は、出さなくてよい書類があります。くわしくは国税庁で確認できます。

いくら戻る?

住宅ローン控除は、税金の額から直接引く控除です。所得から引く控除(基礎控除など)とは違い、計算した控除額のぶん、所得税が減ります。

控除額の計算は、次のとおりです。

控除額 = 年末のローン残高 × 0.7%(限度額あり。100円未満は切り捨て)

限度額は、住み始めた年と住宅の種類で違います。令和8年に住み始めた新築の場合の例です。

住宅の種類1年の控除の限度額(令和8年分の例)
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅31.5万円
ZEH水準省エネ住宅24.5万円
省エネ基準適合住宅14万円
その他の住宅(省エネ基準に合わないもの)原則として受けられない

※子育て世帯や若い夫婦の世帯などは、限度額が高くなる場合があります(ZEH水準なら31.5万円など)。国税庁で確認できます。

※1年の所得(合計所得金額)が2,000万円を超える年は、受けられません。所得の考え方は、所得とは?収入金額と所得金額の違いと、自分・家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。

戻るのは、その年の所得税の額まで

戻るのは、給料から引かれた所得税の額までです。控除額のほうが多いときは、残りが翌年度の住民税から引かれます。

例:ZEH水準省エネ住宅、年末のローン残高3,000万円 → 控除額 3,000万円 × 0.7% = 21万円

  • 1年の所得税が25万円の人:21万円が戻る
  • 1年の所得税が15万円の人:15万円が戻る。残りの6万円は、翌年度の住民税から引かれる(現金では戻らず、住民税が減る)

※住民税から引かれる額には上限があります(前の年の所得税の計算のもとになる所得の5%、97,500円まで)。そのため、残りが全部引かれるとは限りません。

※住民税の分は、市区町村に申告しなくても、確定申告の内容をもとに計算されます。

2年目からは年末調整

1年目に確定申告をすると、2年目からの「住宅借入金等特別控除申告書」が税務署から届きます。2年目からは、その申告書を会社に出せば、年末調整で受けられます。

→ 住宅借入金等特別控除申告書の書き方(2年目以降の年末調整)

よくある間違い

  • 1年目の証明書を、年末調整で会社に出す:1年目は使えません。確定申告まで保管しましょう
  • 証明書を捨ててしまう:証明書方式の人は、確定申告で使います。なくしたときは、借りた金融機関に問い合わせてください
  • 3月まで待つ:お金が戻る申告は、1月1日から出せます
  • 控除額が全部、現金で戻ると思う:戻るのは所得税の額まで。残りは翌年度の住民税から引かれます

迷ったときは、税務署か、借りた金融機関に確認してください。

まとめ

  • 住宅ローン控除の1年目は、年末調整ではできない。確定申告で受ける
  • 確定申告は、2027年1月1日から出せる。お金は戻る
  • 証明書方式の人は、年末残高等証明書を大切に保管。調書方式の人は、添付が要らない
  • 戻るのは所得税の額まで。残りは翌年度の住民税から(上限あり)
  • 2年目からは、税務署から届く申告書で年末調整

確認先の公的機関

この記事は一般的なしくみの説明です。ご自身の住宅ローン控除については、税務署、または借りた金融機関にご確認ください。