年末調整の申告書には、あなたや家族の「収入金額」や「所得の見積額」を書く欄があります。でも、何を書けばいいのか分からない、という人は多いと思います。そんなときに使えるのが、源泉徴収票です。ただ、源泉徴収票には数字がたくさん並んでいて、どれを見ればいいのか分かりにくいものです。この記事では、申告書の欄ごとに、源泉徴収票のどこを見ればいいかを説明します。
この記事でわかること
- 給与収入・所得は、源泉徴収票のどこに書いてあるか
- 申告書の欄ごとに、源泉徴収票のどこを見るか
- 去年の数字をそのまま写してはいけない理由
※2026年11月時点の情報です。令和8年分(2026年分)の申告書の例です。
結論:給与収入は「支払金額」。ただし去年の数字はそのまま写さない
ポイント
- 給与収入(収入金額)は源泉徴収票の「支払金額」、給与所得は「給与所得控除後の金額」に書いてある
- 申告書に書くのは、今年の見込み(扶養控除等申告書は来年の見込み)。去年の源泉徴収票は参考にするだけで、そのまま写さない
- 年収220万円未満の人(パート・アルバイトの家族など)は、2026年に給与所得控除が変わったので、去年と収入が同じでも所得が変わる(220万円以上は去年と同じ計算)
給与収入・所得は、源泉徴収票のどこ?
今手元にある源泉徴収票は、ふつう今年(2026年)のはじめに勤務先から受け取った、去年1年分(令和7年分・2025年分)のものです。
源泉徴収票の上のほうに、金額が並んでいる欄があります。申告書を書くときに見るのは、次の2つです。
| 源泉徴収票の欄 | 何の金額か | 申告書での言い方 |
|---|---|---|
| 支払金額 | その年に支払われることが決まった給料・賞与の合計(税金や社会保険料が引かれる前) | 給与の収入金額(年収〈額面〉) |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 支払金額から給与所得控除を引いた金額 | 給与所得(所得金額) |
※支払金額には、非課税の通勤手当は入っていません。
※給与だけの人は、給与所得がそのまま合計所得金額(所得の見積額)になります。給与のほかに所得がある人は、それも足します。
確認先:国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」第2章(PDF)
申告書の欄ごとに、源泉徴収票のどこを見る?
申告書ごとの欄と、参考にする源泉徴収票の欄は次のとおりです。家族の分は、家族の源泉徴収票(家族が会社などから給与を受け取っている場合)を見ます。
| 申告書と欄 | 誰の分 | 何年の見込み | 収入金額の参考 | 所得金額 |
|---|---|---|---|---|
| 基礎控除申告書「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の「給与所得」 | あなた | 今年(令和8年) | あなたの去年の源泉徴収票の「支払金額」 | 用紙の「給与所得の計算欄」で、今年の収入金額から出す |
| 配偶者控除等申告書「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算」の「給与所得」 | 配偶者 | 今年(令和8年) | 配偶者の去年の源泉徴収票の「支払金額」 | 今年の収入金額から出す |
| 特定親族特別控除申告書「特定親族の本年中の合計所得金額の見積額」 | 19〜22歳の子など | 今年(令和8年) | 子の去年の源泉徴収票(アルバイト先など)の「支払金額」 | 今年の収入金額から出す |
| 扶養控除等申告書(令和9年分)の「令和9年中の所得の見積額」 | 配偶者・家族 | 来年(令和9年) | 家族の源泉徴収票の「支払金額」 | 来年の収入の見込みから出す |
※今年の給料が去年と変わる人(昇給・転職・アルバイトの日数が変わったなど)は、今年の給与明細もあわせて見て見積もります。
書き方は、申告書ごとの記事で説明しています。
- 基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方|何のための書類か、準備するもの、欄ごとの記入例
- 配偶者控除等申告書の書き方(令和8年分)|記入例と、よくある間違い
- 扶養でなくても受けられる控除|特定親族特別控除申告書の書き方(19〜22歳の子がいる人)
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?書き方と記入例
去年の数字を、そのまま写さない理由
申告書に書くのは、今年の見込みだから
基礎控除申告書などに書く収入金額は、直近の源泉徴収票や給与明細を参考にして見積もった、今年1年間の給与の収入です。去年の源泉徴収票は、去年の1年分なので、参考にとどめます。
年収220万円未満の人は、去年と収入が同じでも所得が変わる
2026年(令和8年分)は、給与所得控除が変わりました。年収220万円未満の人(パート・アルバイトの家族など)は、去年と収入が同じでも、今年の所得は去年の「給与所得控除後の金額」と変わります。年収220万円以上は、去年と同じ計算です。
今年の所得の出し方は、所得とは?収入金額と所得金額の違いと、自分・家族の「所得の見積額」の出し方で説明しています。
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→ 年末調整ツール
確認先:国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」
よくある間違い
- 去年の「支払金額」をそのまま書く:書くのは今年の見込みです。給料が変わった人は、今年の分で見積もります
- 去年の「給与所得控除後の金額」をそのまま所得の欄に書く:書くのは今年の見込みです。年収220万円未満の人は、収入が同じでも所得が変わります
- 手取りを収入金額に書く:収入金額は、税金や社会保険料が引かれる前の額(支払金額)です
- 通勤手当を収入金額に足す:非課税の通勤手当は入れません。源泉徴収票の支払金額にも入っていません
迷ったときは、勤務先の担当者に確認してください。
まとめ
- 給与収入(年収〈額面〉)は源泉徴収票の「支払金額」、給与所得は「給与所得控除後の金額」
- 申告書に書くのは今年の見込み(扶養控除等申告書は来年の見込み)。去年の源泉徴収票は参考にするだけ
- 年収220万円未満の人は、2026年に給与所得控除が変わったので、去年と収入が同じでも所得が変わる(220万円以上は同じ計算)
- 家族の分は、家族の源泉徴収票を参考にする
確認先の公的機関
この記事は一般的なしくみの説明です。ご自身の申告書の書き方については、勤務先の担当者、または税務署にご確認ください。